Ｒａｉｎ

『お、そこ座ってくれ。わざわざすまんな…』

『あ…うん』

『こんにちは、あなたが知香さん？初めまして。石井香織の母です』



あたしがソファーに座るとお父さんの隣に座っていたおばさんが、あたしにそう挨拶した。


石井…？

あ、こいつが不倫相手だった女か。



ちなみにあたしも小４まで石井やったしな!!



『病院やのに化粧臭いと思ってたらあなたのせいやったんですねぇ』



あたしは嫌味たっぷりにそう言った。

おばさんは少しムッとした顔であたしを睨んでいた。



『ほんまお母さんそっくり。意地が悪そうやわ』


負けずとおばさんも対抗してくる。





『やめなさい。今日は大事な話で来てもらってるんやから』


お父さんがおばさんにそう言うと、おばさんはふて腐れた顔をした。