Rain
コンコンッ…

看護婦さんが出て行ってすぐに、また病室のドアがノックされた。



入ってきたのは、京子とりぃだった。




『知香…』
『大丈夫?』


二人は心配そうな顔であたしを見ていた。


何で…あたしが病院にいること知ってるの?




『朝聖夜くんから連絡あって時間あったらお見舞い行ってあげてほしいって言われてさ。あたし知香の家で三人で飲んだ時に一応連絡先交換してたやん?あれから初めて連絡あったからビックリしてんけど…』


そう言って京子はあたしのすぐそばに来てくれて、体をトントンとさすってくれた。





『話…聞いた?』

『何の?』



京子とりぃは何のことだか分かっていない様子だった。

そっか…あんな話できるわけないよね。





『泣いたんやろー目めっちゃ腫れてんで。痛い注射でもしたん?』


りぃが笑いながらそう言った。


『泣いてへんわぁ』


あたしもそう笑い返した。





でも…笑ってるうちにまた涙が出てきた。




二人はビックリして困っていた。





『ちょっと知香ぁ…どうしたんよ…』

『…んっ…ぅ…』


あたしは泣きやめなかった。
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