Rain
『知香?起きなさい』


え…?

懐かしいお母さんの声で目をあけると、そこには本当にお母さんがいた。



信じられない光景にあたしは目を疑った。


なんで?夢…?







『お母さ…ん…ぅっ』

『なに泣いてんの。ちぃちゃん、お母さんはずっとそばにおるから。いつもずっと見てるよ。一人じゃないからね』

『ぅっ…お母…んと…こ行っても…い?』


あたしは泣いた。

ありえない現実にただただ驚愕しながら。





『知香、お母さんは知香に幸せになってもらいたい。笑った顔が一番可愛いんやから。これからもっともっと楽しいことがある。だから笑った顔をいっぱい見せてね』


『お母さん…』




そう言って泣き止んだ時、目を開けるとあたしは仏壇の前だった。


えっ…?
夢……?





でも、不思議とそうではないような気がしてならなかった。


なんとなく実感がある。

本当に会えた気がした。
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