Rain
第7章

選んだ運命

翌日、聖夜に連れられて朝から病院に連れ戻された。



とはいっても体は回復しつつあったし別に大丈夫だった。






『知香大丈夫かぁ?』


聖夜が仕事に行った後、お父さんがそう言いながら病室をのぞきに来た。



『大丈夫。もう逃げたりせえへんから』

『そうか、よかった。あんまり心配かけるなよー。ちゃんと食事して早く退院できるようにな。頭はもう痛くないか?』

『うん、全然平気!』

『じゃあまたのぞくな』




お父さんは仕事があるからと言って病室を出て行った。





なんか親子らしい会話だったんじゃない?


不思議とあたしは機嫌が良かった。





でも気になっていたあのおばさんのケガのことを検温の時に看護婦さんに聞いてみたら、あれからすぐに意識が戻って自宅に帰っていたらしい。



恐るべし。
おばさんパワー…




あたしは少し感心した半面、内心ちょっとほっとした。
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