Rain
かなり体も衰弱しきっているらしく、手術もギリギリかもしれないと言われた。



仮に骨髄の型が合った提供者がいて移植ができても、正常に働くかどうかは保証がないとも…







話を聞いているだけで怖かった。



難しい言葉だらけで分からないこともあったけど、とにかく命が危険にさらされる病気だということはよく分かった気がした。





『知香…頼むな…』


検査の説明が終わるとお父さんはそう言ってあたしの肩を軽くたたいて静かに病室を出ていった。



まだ検査もしてないのに…


まるであたしに全ての望みをかけているかのようだった。


あたしはそれを感じてた。



一致なんてするわけないのに…。



なにより急性白血病は人口10万人につき毎年たった3〜4人の発病。


そのたった何人かのうちの一人になるなんてことがあること自体が信じられなかった。
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