Rain
『検査痛かった?』


聖夜があたしを見ながら聞いてきた。


『痛いってどころちゃうでぇーほんまにびっく…』

『シーッ』




聖夜はそう言ってあたしの口をふさいだ。


そして黙ってキスしてきた。




『頑張ったごほうび』


聖夜は照れながらあたしにそう言った。

逆にあたしのほうが恥ずかしかった。




『じゃあさぁ…聖夜ごほうびもう一個聞いてくれる?』

『ん?できることやったら何でも聞いたるで』

『退院したらまた海遊館行きたいな…』

『えっ?それだけ?』



聖夜はキョトンとしてた。

もっと違うことを想像してたんだろう。




『うん。それからぁ、海遊館終わったらまた海見ながらゆっくりしたい。船とか見ながらさ』

『うん。行こうな』






約束した。



ちゃんと約束…したやんな?



この時、確かにあたし達はお互いを信じてた。
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