Rain
『まっすぐな子が好きやのに何で浮気症な子と付き合ってんの?』



あたし気付いたらこんなこと聞いてた。


余計なお世話…。





『それ鋭い突っ込みやなぁ(笑)それは分からんわ…。だからさっき微妙ってゆうたやろ?俺も疲れたし。一年半もずっとこんなんやで。ちなみに今日記念日』


『記念日?何の?』


『だから一年半の』


『ほんま?』


『かなり』


『いい…ん?こんなとこであたしと一緒におって。記念日やったら一緒に過ごしたらいいやん』





言いたくなかった…そんなこと。


だってあたし聖夜くんといたらめっちゃ楽しかったんやもん。





『いいねん。あいつ雨の日出てこーへんから。つーか雨の日はほとんど会わん。今までもずっとそうやったし。でも浮気してんのって大概雨の日なんやけどな』



寂しそうに笑う聖夜くんを見ていてあたしは胸が痛くなった。



ズキン…

なにこの感じ…苦しい。




今日あたしを誘ったのは、その寂しさの穴埋めのためやんな?


別に誰でもよかったんやんな?



誰かと一緒にいれば彼女のこと考えんですむから────。
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