Rain
でも高校一年の夏、
あたしの唯一の支えだったお母さんまでもがあたしの前から消えた。





ムシ暑い梅雨の日、担任の先生が授業中に突然あたしを呼び出した。





『遠藤…お母さんが亡くなられたって連絡があった』






信じられない、
信じたくない。


先生の言葉が頭の中で何度も何度もリピートされる。







お母さんは…
仕事中に急性心不全で倒れたまま、もう二度と目を覚ますことはなかった。






神様なんて…いない。

絶対…いるわけない。




ねぇ…
もしも本当に神様がいるなら教えてよ?



なんで…
なんで…お母さんまで奪うの?











お母さんが死んだ日も雨が降ってた。


なんで?

雨が降ったら…
嫌なことばかり起きてた。




だからあたし…雨がキライだった。
< 64 / 282 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop