Rain
『あんたが壊したんやろ!あたしの…家族…あたしの…幸せ』




悔しかった…

目の前にいる女の子が憎かった。


家族を手に入れ、幸せを手に入れ、おまけに着ていた制服は私立の中でも超がつくほどのお嬢様女子高のものだった。






『香織だって我慢してたんやから!!小さい頃ずっとお父さんおらんくて寂しかったんやから!!』



女の子もあたしに負けず叫ぶ。








なぁ…
あたしには分からん。


どうして人は人を好きになるのか。

どうして人は人を嫌いになるのか。




始めっからそんな感情がなければ…誰も傷つかずにすんだのに。
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