Rain
ガングロもやったりしてた。



自分の将来に夢もなく、ただやりたいことをやりたいようにやってた。





大学行かずに仕事しよっかな…
そう思ったのは高校三年の始め頃だった。





寂しかったのかもしれない。

常に忙しくしていたかった。


高校生なのに毎日夜遅くまで遊んだりしてた。






お母さんが死んだ16歳の夏から、あたしは“家”が嫌いだった。


一人ぼっちになるあの場所には…帰りたくなかった。




家に帰ったらいつも一人。



そんなの世の中には他にもたくさんいるだろうけど、あたしには結構きつかった。






誰もいない部屋に一人で帰って電気つけて。


でも『おかえり』って言ってくれる人なんていない。








でもたまにつぶやいてた。




『ただいま』って。




あほみたい…
誰も返事なんてしてくれるわけないのに。





だから…帰りたくなかった。

一人に…なりたくなかった。
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