Ｒａｉｎ

『最近どーなん？』

『聞いてやーケンがなぁ』

『りぃもまぁ君めっちゃむかつくねん!!』





二人はよく彼氏の話をしてた。



グチだね、いわゆる。



でもなんだかんだ言ってても幸せそうなんだよね。

見ていていつもそう思ってた。





京子もりぃも一途な子だから二人とも泣いたり笑ったり喜怒哀楽が激しいけど、あたしは二人の話を聞くの、結構好きだった。


くだらないノロケ話も、彼女達の話なら楽しく聞いていられる。



でも最後はいつも

『知香はどうなん？』

って聞かれてた。





あつしと別れてから二年近くも誰とも付き合っていなかったあたしを、いつも二人は気にしてたから。


ぶっちゃけあつしと別れてから告られたこともあった。


でもいつも何か踏み切れなかった。




どうせ裏切るねんからいらんわって…そう思ってた。


ただ信じて傷付くのが怖かっただけなのかもしれないけど。




『あたしはいいねん。いつかほんまに信じれる人が現れるまで待つし』




本当に…そう思ってた。


運命ってものが本当にあるなら、あたしはそれを…待つって。