Rain
『キャバクラやで』


キャ…
キャバクラ!?
お水!?
ありえへんし!!!!




『無理無理!!する気ないから。これもいらん』




あたしはそう言って名刺を返そうとした。

でも藤堂 圭吾は受け取らなかった。






『いくつなん?』

『18』

『学生?』

『高3』

『マジで?見えへんな』




意味の分からない会話ののち、スカウトマンはあたしに

『自分寂しがりなんちゃう?』

と言った。





なにこいつ…あほちゃう?あたしはなんとなく引いた。







『違うし』

『絶対そうやわ。だって一人やのに俺と話してくれてるやん』

『…違うってば』

『なぁ、夜仕事したら絶対おもろいで?寂しがりにはピッタリの仕事やわ。やってみいひん?』






なんとなく…心が揺れた。

“寂しがり”って…あたし…







『考えとくわ』

『マジで?じゃあもしやりたくなったら名刺の番号に連絡ちょーだいなっ』











あたしはこの時そう言われてから、何かが心に引っかかっていた。



家に帰ってからもずっと…考えてた。



寂しがり…か。
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