朝陽のもっと向こう側

この物語は、世界がもう一つの世界となり、門崎祐司と霧島明日香が本当の意味で結ばれた頃の話。
すべてが原点に戻った後の、平凡な毎日の物語。

少年の名前は、白石あゆむ。
少女の名前は、真田美緒。

何でもないような日常の中で、
そしてあまりにも真っ白な部屋の中で始まろうとしている物語。
そんな小さな恋の物語。

ふたりは出会い、恋し、互いに傷つき、互いに励ましあい。
時には離れそうになりながらも、必死に生きようとするふたり。

門崎祐司ではない、もうひとりの主人公、白石あゆむ。
霧島明日香ではない、もうひとりのヒロイン、真田美緒。

無情に過ぎていく時間に必死に抗い続けながらも、
その時間の大切さに気付いていく。

さぁ、もうひとつの小さな恋の物語を始めよう・・・

・・・

・・・

・・・

なんだろう。

海の奥深くにゆっくりと沈んでいっているような感覚。
何もかもを忘れ、ただただ眠るように埋もれていくような感覚。

何かに優しく抱かれて眠りに落ちていくように、
僕はただその感覚に、瞳を閉じれば聞こえてくる誰かの声に身を任せていた。

祐司「君は・・・俺のようにはならないでくれ」

あゆむ「あなたは・・・？」

祐司「過ちを・・・繰り返すなよ？」

あゆむ「待ってください！　あなたはさっきから何を言って・・・」

祐司「それだけが、君にとっての・・・」

・・・

・・・