朝陽のもっと向こう側
放課後。
結城高校正門前。

あゆむ「尚人のやつ・・・遅い」

授業終了後、毎度のことながら
尚人が遊びに行こうと誘ってきた。

それなのにいくら待っても来ない。

あゆむ「担任にでも捕まったか?」

地面の石ころを一つ蹴飛ばして、僕は門に寄りかかった。

正門に続く道にある木々の合間から、夕陽が漏れていた。

・・・

・・・

尚人「いや~、悪い悪い。 どうしても抜けられなくてさ」

帰り道にあるゲーセン。
僕や尚人の定番の遊び場でもある。

尚人はシューティングのガンを構えながら、僕にそう言ってきた。

あゆむ「1時間も待ったけど」

尚人「だから謝っているだろ」

あゆむ「謝られても僕の時間は戻らない」

尚人「・・・」

あゆむ「・・・」

尚人「機嫌直せよ」

あゆむ「・・・」

尚人「今度、飯おごるから」

あゆむ「のった。 明日、学食おごり」

尚人「・・・」

それから1時間ほど遊んで、僕と尚人は帰った。

・・・

・・・

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