朝陽のもっと向こう側
自宅。
時間は20時になろうとしていた。

あゆむ「ふぁ・・・」

肩にかかっていた荷物を下ろし、
僕は小さな欠伸をした。

あゆむ「ん?」

テーブルの上に手紙が置かれている。

あゆむ「母さん?」

手紙の内容はいたってシンプルで、
帰りが遅くなるから夕飯は外で食べるようにということだった。

あゆむ「ほんと、放任主義だよなぁ」

僕は自分の部屋に戻り、私服に着替えて再び玄関を出た。

あゆむ「それにしても、独りで食事っていうのも・・・」

僕はポケットから携帯を取り出した。

尚人「本日の営業は終了しました。 また明日おかけ直しください」

あゆむ「・・・」

尚人に電話をしたら、出た瞬間にそう言われ、一方的に切られた。

あゆむ「さっきのおごりの話をさせないつもりか・・・」

あゆむ「慎二なら」

今度は慎二にかける。

あゆむ「あ、慎二? 夕飯まだなら外行かない?」

慎二「ごめん、あゆむ。 ついさっき食べ終わってさ」

あゆむ「あ・・・そっか」

慎二「また今度ね」

・・・

あゆむ「・・・ふぅ」

とりあえずお腹すいた・・・

僕はそのまま歩き出した。

・・・
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