朝陽のもっと向こう側
あゆむ「どこにも行けない・・・?」

美緒「あなたたちはいいわよね・・・学校に行って、友達と話して、家にも帰れて・・・」

メグ「美緒・・・」

美緒「私が見たことないものを見て、経験したことないことをたくさんして、何もかもが違うのよ」

あゆむ「・・・」

メグ「・・・」

美緒「できるなら、もしできるなら・・・学校にも行って、みんなと話して、普通に生活したいよ・・・!!」

美緒は、僕とメグに背を向け、なおも続ける。

美緒「そんな願いすらも叶わない・・・普通に生きていたいだけなのに・・・みんなはできるのに、どうして私だけが許されないの!?」

メグ「もうわかったから・・・部屋に戻ろう?」

メグが後ろから美緒を抱きしめ、そう言う。

美緒「・・・」

メグ「あゆむ、ちょっと席、外してくれる・・・?」

あゆむ「え、あ・・・あぁ」

僕は屋上を出て、8階に戻った。

・・・
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