朝陽のもっと向こう側
しかし・・・

美緒が、夕陽が好きではないと言っていた本当の理由は、
僕が考えていたものとはまったく違っていた。

確かに僕の考えていたようなこともあった。
でも、僕が考えていたよりも、もっとずっと大きな苦しみが美緒を苛んでいっていることも知らずに。

あゆむ「・・・」

ただ、このことを知るのはもう少し後になる。
・・・もしも、このときに気付けていたら。
いや、本当は気付いていたのかもしれない。

ただそれを認めたくなくて、どこか心の中で否定していた。
だから気付いていないフリをしていたんだ。

8階に上ったときから。
美緒と屋上で会った日から。
・・・いや、あの夜に、初めて美緒と出会ったあの瞬間から・・・
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