モラトリアム
そんなある日、
先輩はアタシを体育倉庫に呼び出した。

授業なんかそっちのけで
急いで倉庫に向かった。
もしかしたら、
アタシのことを好きになったのかもしれない。


もしかしたら、
アタシと付き合いたいなんて言ってくるのかもしれない。

アタシは倉庫に向かう間に、告白の返事の仕方まで考えていた。


アタシの周りには、
ランキングの1位をとっているようなラブソングが流れているような気さえした。



だけど待っていたのは

アタシがのん気に思い描いていたものではなかった。
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