モラトリアム
京子が、
なんだかキラキラして見える。


それに比べてアタシは、
こんな風に悲観的で。


さみしい人間だな、
なんて自分でも思う。


「じゃあ、私行くね」

「うん。また学校で」


店の前で別れ、
アタシはノボルとの待ち合わせ場所に向かった。


その途中、
黒髪のアイツの前を通りがかった。
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