モラトリアム
アタシは急いで目を逸らし、駅に早足で向かった。


「おい!!華!!」


胸が、グルグルして気持ち悪い。

間違いなく今、眉間にシワが寄っている。


キスくらい

キスくらい



追いかけてくるノボルの腕を思い切り振り切り、
アタシは急いで家に帰った。


風がつめたく、けれどもどこか絡むようにアタシに吹き荒れていた。
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