モラトリアム
パパは、

泣き喚くアタシの小さな腕を振り切って、


女の元へと行った。


ドアを開け、

追いかけたアタシの前には、


車に乗り込むパパ。







助手席に
勝ち誇った顔をして座っていた


ケバイ女。

ママとは正反対だった。

タバコを吸っていた。

髪の毛を金髪にして、
ぐるぐるに巻いていた。


追いかけたアタシのことなんて気づかないパパは

その女とさっさと車を発進させた。
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