モラトリアム
「じゃあ、今日もデート行ってきまぁす」

「大学生って、意外と暇なのね」

「みたいー。ウチらみたいに授業もあんまり無いみたいだし。じゃねー」


そう言って、京子はバタバタと帰っていった。


ふぅ、

と一息つき、
アタシも学校を後にする。


下駄箱でイヤホンをはめて、

周りの音を消す。

電車に乗り、
いつもみたいに渋谷で降りる。


人ごみにもまれて、
気づけばいつもの場所。

黒髪のアイツは、
今日も立っている。


本当に

何してんの?
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