モラトリアム
アタシはビルの壁に寄りかかり、

人の流れを見つめた。

たくさんの人たちが流れていく。

みんな違う顔をしていて、
みんな違う仕事をしていて、

みんな違う毎日を送っている。


一人として
同じ人なんかいない。

こうしてアタシみたいに

暇をもてあましている人もいない。
< 82 / 99 >

この作品をシェア

pagetop