モラトリアム
17時35分。


18時からバイトかな。


「あのさ」

「え?」


足元に置いてあったバックを持ち、

彼はアタシのほうを向いた。


「いっつもいっつもって、さっきからアンタ言ってるけど、そんなにいつも俺のこと見てたの?」


彼は普通に気持ち悪そうな顔をして言った。


……あ。


アタシ、
気を抜いてまた言ってしまった。
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