先生は私の青春でした
季節ももう冬になる。

私と先生は表面上は何も変わらなかったけど、なんとなく距離を置くようになった。


「さくら聞いてー♪」

授業も終わって帰ろうとしてたら香織が話しかけていた。


「なに?」


先生の事でイライラしていた私は、ついそっけなく返してしまった。


「昨日ね、松井先生に送ってもらっちゃった♪
しかも、公園でずっと喋ってたんだよー♪」


「ふーん。よかったね」


先生との事がよっぽど嬉しかったのか、香織はずっと話し続けていた。


「てか、アドレスも教えてもらっちゃった♪すごくない?」


「ごめん。用事あるからもうさくら帰るね。バイバイ」

これ以上、香織の話しを聞きたくなかった。


「えっ!?さくら!?」


香織においてきぼりにされた気がした。


幸せそうに話す香織に嫉妬してしまったんだ。



香織はどんどん松井先生に近づいていってる。


それに比べて私は、結局は前と何も変わってない。


ただ、私が先生を好きなだけ…。



どうしようもなく虚しかった。
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