大好き[短編]




6年生



小学校最後の年。



5年生の時はあんなに気まずかったのに6年生になって普通にしゃべれるようになったね。



それが私にとってどれだけ毎日が明るくなったのかあなたは知らないでしょ?


実はすごくうれしかった。



この時期に私は携帯持っていてあなたは持っていなくて連絡手段は電話しかなかったね。



毎回のコール音に心拍数がどれだけあがったのだろう。



受話器を取った音に心臓がはねてあなたの声に反応する。



このときあなたは約束をしてくれたね。


あなたは覚えてないと思うけど、あなたが中学に入って携帯を買ったらアドレスと番号を教えてくれるって・・・・。



その約束は中学なんてもう目の前なのにすごく遠い約束にかんじたんだ。



そのくらいあなたと距離があったのかな?






この年は雪が降って一緒に男女対抗で雪合戦もしたよね。


あなたは、手袋もしないで雪に触るから休み時間が終わると手が真っ赤になって鼻と頬も赤くてサルってバカにされてたね。



そして、卒業文集を書いているとき・・・・。


そう。あなたが斜め右前の席だった時。



卒業文集はペンで直接書きだから直すときの方眼テープ切るためにハサミが必要で、後ろの男子に借りればいいのに



「ハサミ貸してくんない?」


そう私に言ってくれた時はすっごくすっごく嬉しかった。


それから卒業間近で急に悲しくなって私が泣いちゃった時も
どんな男子よりも駆けつけてくれて本当に嬉しかったよ。



本当は最後、卒業式が終わって告白しようとしたけどできなかった。


今更後悔しても遅いのに・・・・。


本当に今更・・・・・・・。



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