曖昧-aimai-
不覚にもときめいてしまった
自分がいる。

「冗談はやめて。」

こんなぺちゃぱいの
黒髪でいつも二つ結びで
スカート丈だって膝上ちょっとだし。
私はいわゆる“地味”の
種類に入る人間だった。

本当は。
高校に入ったら髪を明るく染めて。
すこしパーマかけて。
スカート丈だって太ももあたりまで
あげて。
ピアスもあけて。

そんなおしゃれな自分になろうとした。
でも。
両親が亡くなってから
そんな事できなかった。

親からもらった体、髪。
2人を忘れないためにもと
思った。

「冗談じゃない。」

ユキはあの瞳で。
しっかりと私を見つめていた。

「っ・・・・
模様替え始めよ??」

それに耐え切れず私は
そらしてしまった。

ユキの瞳は今まで何を
映してきたの??
何故そんな切ない瞳をするの??


そんなことを考えて始めた
一時間前だった。
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