曖昧-aimai-
それともう一つ。


「えっ?!本当?!」

「れえ驚きすぎ。
嘘だったら言わないよ。」

ユキがスカウトされた。
路上ライブを以前のように毎日することはなくなったけどたまにギター片手に歌っていることがあった。

「いってもライブハウスとかで有名になるような会社だけど。」

要はテレビにでてる人とかじゃなくてひっそりと有名な人になるってことか?!

「れえ考えすぎ。」

顔をのぞかれどきっとする。
だって頭よくないし。

てか今絶対変な顔してたから!!!!

「あ、の、うん…」

近いよー
顔近いよー。

「れえ。」

「な、何??」

今の顔はゆでダコ状態。
そんな私にさらなる追い打ち。

「セックスしよっか??」

ニヤリと笑うユキに。
私は逆らうこともできず。
あっけなく深いキスをされる。


私ね。
ユキを孤独から救えるなら何でもしたいって思うんだ。

「ッれぇ…」

ほら。
こうして私の上にいて。
顔を歪ませていても。
こんなに距離が遠いんだもん。

そしてユキはそっと涙を流すんだ。

ねぇユキ…
貴方は今何を誰を思って泣いてるの??
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