曖昧-aimai-
「気付かなかったの??」

彼は心配そうに顔を
覗き込んできた。

「あ。はい。」

歌で泣いたことなんか
なかったのに。

「君。名前は??」

「零。鮎川零。」

「れい??」

「はい。」

「なんかいいにくいから
【れえ】って呼ぶね。」

「え?!」


まるで・・・
また逢う約束みたいに。


「俺はユキ。
また・・・ね??」

そういってギターを持って
どこかへいってしまった。

「ユキ・・・さんか。」


泡沫の彼に。

すこい興味がわいた。
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