曖昧-aimai-
それから私はバイト帰りに
ユキさんのいた場所に
足を運ぶようになった。

「あ。れえ」

「こんばんは。」

相変わらず客は私一人で。

その分よく話すように
なっていった。

「れえはいくつなの??」

「16ですよ。」

「俺より2こした?!」

「じゃあユキさんは18ですね。」

「うん。学校行ってたら高3か。」

「学校行ってないんですか??」

「そ。音楽で上めざすために。」

その言葉に。
何故か違和感を感じた。

瞳が。
何か思い詰めたような
感じがしたから。

でも。
そのことをきいたら。
本当に消えてしまいそうで。
なにも。
聞けなかった。
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