my name



「あ、あのね。ママが夕飯には帰ってきてって言ってた」


ママが…。

なんだ。おばさんに頼まれたから仕方なくかよ。


「それだけ?」

つい聞いてしまった。

俺は空に何を期待してるんだろう。


空は思ってもいなかった応えが返ってきたのか困った顔をした。


「えっと…。こんな時間まで毎日何やってるの?」

ただ慶の家で時間を潰してるだけ。

でもその理由は空には言えないから、その質問は答えない。

「お前には関係ねぇ。それだけなら閉めるぞ」


俺のこと気にしてたのはおばさんであって空じゃない。

おばさんに頼まれて仕方なく俺と話してるんだろ?

今はこんな態度しか取れない。


「あっ、待って」

「なに」

「あの時はごめんなさい」

あの時ってあの朝のことだよな。


「何が…」

「突き飛ばしちゃったから…」

「なんでお前が謝るんだよ」

「あたし、赤木君に話さなきゃいけないことがある」

どういうことだ…?










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