my name
でも、今だに空の背中しか見えない。
「えっとー…」
今どんな顔してる?
無視したからやっぱり嫌いとか言われるかも。
「ん?」
そう言って空は俺の隣に座って顔を覗き込んできた。
久しぶりに見た空の顔は眉を下げて俺のこと心配していた。
何でトラウマ打ち明けたこいつより俺が心配されてんだ?
と思ったら何だかすっと言えた。
「無視とかして、ごめんな…」
「えっ」
空はそのまま固まった。
そんな反応?(笑)
って笑うとこじゃなかった。
そしたら空の眉間にシワがよって、口はへの字になった。
そして目からは涙が流れた。
やっぱり傷付けてたのかな。
「泣くなよ」
「うー。泣いてないよー」
「泣いてんじゃん」
ヤバいかなと思ったけど身体が勝手に動いて、気が付いたら抱き締めていた。
「うるさいー」
今度は突き飛ばされない。
俺の服を掴んでいるのがなんだかくすぐったかった。