春夏秋冬





「どうしたんですか?泉先輩」




ほんわかした上原くんの表情が、泉さんに突き刺さる。




男の人を見ると彼氏の事を思い出すから気をつけて。と加絵は言っていた…




「何もないわ。早く仕事につきなさい」




冷たい態度をとる泉さんに、上原くんは少し首を傾げる。




空気が読めていないただ一人が上原くん。




少し遅めの休憩時間中、弁当を持ってきたあたしは加絵と別々に昼食をとった。




この空間にいるのはあたし一人しかいない。




…そう思っていた時。




ガチャッ




扉が開いたと思ってふと視線を寄せると、そこには上原くんの姿。




きっとあたしに気づいていないのだろうと思い顔を出して覗いていた。




まさかこれが思いもよらない事になるなんて…




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