春夏秋冬





ママは3年前、パパを失った。




だから余計にあたしを恋しがる事が増えた。




パパは仕事のしすぎで倒れて、そのまま息を引き取ったって。




泣いたのは勿論、ママはパパをすごく愛していたから落ち込んで仕事も休んでずっと寝たままだった。




そんなママを置いてあたしは都会の仕事を選んだんだもん。




…親孝行じゃないあたしにママは憎んでるのかも知れない。




「誠也は?」




『あぁ、誠也はバイトが忙しいって言って毎日頑張ってるわよ』




誠也というのはあたしの弟。




まだ高校2年生で生意気だけどバイトして生活費を担ってる。




中学の時、親父の代わりに頑張ってやる。って泣きながら言ってた。




正直あたしよりもまだ高校生の誠也の方が充分親孝行してると思う。




しばらく他愛のない話をして電話を切った。




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