あたしのお兄ちゃん*完*
さっそく紗柚の質問に答えながら、紗柚の書くまるっこい字をぼんやり見ていた。
「あ…、解けました!」
「うん、合ってるよ。」
嬉しそうにしている紗柚を見ると、ついつい口元が緩んでしまう。
「私、お兄ちゃんになったのが、えっと…、篤さんでよかったです。」
「さん付けはちょっと…。」
慣れていない。
それに妹に、さん付けされるのも、なかなかおかしいものだ。
まあ、まだぎこちないのも無理ないんだけど。