kasiraな私
口に付いてるクリームに気付いたらしく親指で口元のクリームをすくって舐めた亜由は再び大きめに切ったケーキを頬張った。


またまた・・・クリーム付いてますよ?


鼻の下と顎にまでクリームがちょこんと乗せられてて可笑しなサンタみたい。


「口入れすぎだよ?ゆっくり食べたら」


「はぁてぇ。あみゃくへほいしんたほん」


食べながら話したら分かんないよ?


どれだけ口一杯ケーキ入ってますの?


「んほっ。ごほっ!!」


「ぎゃ~~!!」


むせた亜由の口から飛び散ったスポンジの破片・・・。


あたしの半分のケーキの上に乗ってる小さなサンタさん。


そのサンタは飛び散ったスポンジまみれだった・・・


「亜由!!どうしてくれるのよ!サンタ食べれないでしょ!」


「んほっ。ごほっ」


まだむせてるし・・・。


テーブルを拭きながら窓を見るとガラス越しに映るクリスマスツリー。


夜空と一体化して淡い青と赤、黄のライトが星のようにも見えた。


テーブルを拭き終えて窓に手を付いて星空を眺めた。


ピーポー、ピーポー


折角のクリスマスなのに救急車かぁ・・・


可哀想。怪我か病気した人。


のん気にそんな事を思って救急車を眺めてたら・・・


「何?」


救急車の後ろにピッタリ着いてる黒塗りの車数台。


「どうした?」


あたしの肩に手を置いて窓を覗く亜由。




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