kasiraな私
賑やかになってきた祭り会場。


あたしとお父さんの屋台もそれなりに忙しくなってきて・・・


「よう。兄弟」


「叔父貴!!来てたんですかぁ?」


兄弟?叔父貴??


お父さんの兄弟でおじさん?この人は・・・


「なんや?娘とやってんかぁ?仲良くてええな!がはははっ!」


「お陰さんで!叔父貴にはサービスしとかな!!がははははっ!」


あたしはお父さんと厳ついおじさんとのやり取りを呆然として眺めてた。


お父さんは焼き上がったたこ焼きを容器に詰め、


「御代は入りませんで!!」


と言い、袋をおじさんに手渡した。


「悪いのぅ。ようけ稼げやぁ!!」


がはははっと笑い声を振り撒きながら去って行くおじさん・・・


「目が点になってるぞ!!」


「ん?・・・誰?あのおじさん」


「おじさん?そりゃぁ・・・藍から見たらただのおじさんだな。でもな、お父さんにしたらあの人は偉い人なの。もし、次会う事があったら口は慎めよ!」


偉い人かぁ・・・。家族としての血縁関係じゃなくて極道としての血縁関係の人なんだなぁ。


「分かったよ」


義理だの人情だの。


極道の世界はさっぱりですよ。


あたしには・・・







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