kasiraな私
2階に着くと部屋は2部屋あった。


右と左に1部屋ずつ。


取り合えず右の部屋を開けてみると、中は真っ暗で人の気配も無い。


電気を付けて確認すると、いかにも組長の寝室ですって部屋だった。


「こっちじゃねぇーのか?」


音がした部屋はここでは無いらしいって事で、左の部屋を開けると、むわ~と暑めの風が流れてきた。


「なんだこれ?」


部屋の中は豆電球が点いていて、それなりに部屋を眺められた。


小さく暖房のゴーゴーという稼動音だけが響いていて、この部屋がちんちくりんの部屋だと俺は悟った。


部屋へ踏み入れると、夏か!ってぐらい部屋が蒸しあがってて、暖房のリモコンで気温を確認すると30℃と表示されていた。


「たかが・・・6帖くらいで30℃かよ?冷え性か?こいつ」


小声でしゃべり、ちんちくりんが寝てるであろうベットに目を向けると人が寝てなかった。


「・・・?」


不思議に思い床を目で追って見ると・・・


「ったく。音の正体はお前かよ」


床の上に膝を丸めてくまのぬいぐるみを抱いてるちんちくりんの姿。


どうやらベットから落ちたらしい。


それにしても、落ちても起きずに寝てるコイツの精神状態がどうかと俺は思うぞ。


このままにしておくのも可哀想だなと思って・・・


そう思っただけだぞ!


抱き上げて、ベットへ運んでやったんだ。


ベットへ寝かせて、コイツの顔を見たら・・・


「・・・またかよ?」


俺の上着を確認すると薄っすらシミが出来てた。


そうだ。コイツはまたまた、よだれを垂らして寝てやがったんだ。






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