kasiraな私


「親の為に尽くす覚悟がお決まりであれば、この盃、一息に飲み干し懐中深くお納め下さい」


媒酌人の問いかけに、すばやく盃を手に取り飲み干した龍。


「血の関係取り扱われました」


媒酌人はあたしと龍に深く頭を下げその場からそそくさといなくなった。


「俺の命、お前に預けた」


小声であたしに言った龍。


あ、預けたって?


目を見開いて龍を見てたら、


「・・・また、出るぞ?よだれ!」


小声で嫌味を言われた。


急いで口を閉じた。


「盃式は終了。三枝龍、下がれ」


三枝が龍に向かって少しキツク言った気がした。


龍はあたしをちらっと見て元の場所へ戻って行った。


とりあえず・・・こんなんで、『月寄り』が無事終了した。
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