ミッドナイト・ブルー

と、答えた。
この通には、好みの店が無いのは判っていたが、流石に背に腹は換えられないので、ファミレスの駐車場に車を入れた。
入口まで、歩く間愛美が後ろからやって来て、俺の腕を取ると組んで来た。
「何やってんだ」と言うと
「腕組むの嫌い？」と聞いて来た。
「お前、俺を誘惑して何喜んでるの」
「別に、良いでしょどうせ相手もしてくれないんだから」
「そんな事も無いけど、どうしたんだ、おかしいぞ愛美」と言いながら店内に入った。
席に案内されると、
「愛美お腹は」と聞くと、「本当はかなり減ってるの、今日食べてないの」と、答えた。
「そうか、好きな物頼みなよ」と、言うと
「ご馳走してくれるの」
「構わないよ、好きなだけ食べて」
「これから、車で走り回るんでしょ」
「今日は、諦めてここまで来たんだから大丈夫」
「ごめんね、走りたかったんでしょ」
「それはね！でも愛美から電話が来た時点で諦めたから」
「ごめんね、この次には埋め合わせするから」
「良いよ、あてにしないで待ってる事にするよ」
「じゃあ、あてにしないで待っていて」と言いながらメニューを選び注文をして、
「今度、うちのクラブで親睦旅行が有るんだけど真一君と愛美来ないか宿泊費安くしてあげるけど」
「いつあるの、話してみるけど、真一以外と人見知りするんだ」
「あっ、無理にとは言わないからとにかく話してみてよ」
「判ったわ、出来るだけ行けるようにするね」等と話しながら注文した物を平らげていった。
食事の後のコーヒーを飲みながらくだらない話しをして愛美を笑わせ適当な時間になったので、外に出ると、俺達の後を追うように二人ずれの男が店から出て来た。
俺は愛美に小さな声で、
「後ろを振り向くな何が有っても車に乗って鍵をかけろ、俺が戻れなかったら携帯電話で警察を呼べ判ったな行け」と言うと同時に鍵を手渡した。
その次の瞬間男達が俺の肩を叩いた。
普通の場合、叩かれた肩のほうに顔を回すのだが
見当は、着いていたので反対から振り返り、肩に延ばしていた腕を掴むと、同時に一本背負いの様な体制を取り路面に投げ飛ばした。それを見ていたもう一人の男の腹に蹴りを叩き込んだ。
男はグワッと息を吐き出して崩れ折れた。
俺が投げた方の、男は頭を打ったのかピクピクしていたが、無視してため息を一つ付く