ミッドナイト・ブルー
あまでも無いだろ、あれっ愛美待て、煙草に気を取られていたけど家を出て来たのか、それで遅くなったのか、愛美の荷物はどうしたんだ。」
「私の荷物は、マンションに運んだよ、良いでしょ」
「良いよ、何だか夢のようだな愛美と暮らせるなんてこんなに良い事が続くと後が怖いな何にも無ければ良いけど」と言った時愛美は、何も言えなかった。呼吸さえするのが辛かった。涙が零れそうになるのを必死に我慢していた。
俺はそれを見て気付いていた『愛美は、俺と暮らせるから喜んで涙を溜めているんだ』と思っていた。
そして愛美が切り出した言葉は、
「それでね、これからなんて呼ぼうかなと、考えてたんだけど、さん取って良い」
「呼びやすいならそれで良いよ」
「それから、私少しなら」
「判ってる、病室に戻ったら渡すから、頼むよ」
「それでね、私此処から帰ると一人だから、怖いから、潤子知ってるよねあの娘に、ケンが帰ってくる迄来てもらって良い」
「それは、もう全然良いよ逆に、お願いしたい位だよ明日にでも、連れて来て」
「うん、明日ね、判ったよ・・・・・・・それとね、これは私が貴方にお願いしたいことが有るの 早く、退院して楽しい事をいっぱい仲間と楽しもうよ、ケンはいっぱい趣味が有るから私にも教えてこれが私のお願い」
「わかったよ、なんだか元気になって来たぞ、こんな所に居る場合じゃ無いな早く出ないと」
とはしゃぐ俺を、愛美は目に焼き付ける様に見詰めていた。
ずっとそこで、話していた冬は美味しい物が有るから食べ歩き春はみんなとバーベキュー、夏は山にキャンプ、秋は釣りもっといっぱい遊び尽くす勢いで楽しもうよと決まった。
病室に、戻って愛美にカードと財布から、現金を渡した。
そして、パソコンのテーブルの引き出しの中に、俺のパスワードが入ってるから、と話している時看護士がやって来た。
「山下さん、駄目ですよ検温の時は戻ってもらわないと困ります」と言うと、愛美が珍しく切れた
「ちょっと、あんた何でそんな言い方するの、何も知らない癖に、たかだか、一度検温を飛ばした位でガミガミぐずぐず言われなきゃいけないの、検温より大事な話しをしていたから居なかったのよその位判らないの、それで良く患者さんの事を診る事が出来ますね」と、言って除けた。
看護士は、なにもする事が出来ずに、ナースセンター
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