ミッドナイト・ブルー
2時間後、暖房のせいかのどがかわき目が覚めた、俺は、起き上がりジャージ姿で冷蔵庫を開けると、中からクリスタルガイザーの微発砲の水を、取り出しソファーに、座りながらながら飲み始めた。
カーテンを開けると外の様子を、見ながら   『まだ時間が早いか、久し振りに見たかったな』と、 俺は独り言を言っていた。
ユックリと飲んでいると
いきなり、後ろから抱きしめられびっくりすると、柔らかな声が耳元に、流れ込んで来た。
「何してるの。目が覚めたら居ないから、どこにいったのか、捜索願いをだそうかと思ったわよ」
「また、大袈裟な、愛美を置いてどこに行くんだよ」
「なにしてたの」
「水を飲んでいたんだけど」
「そうだったの、なら良いけど」
「変な奴だな」と、言いながら奥に移動し窓のある壁に背中を宛て向きを変えて、愛美を背中から抱いた安心をしたように、俺の胸に寄りかかり目をつぶり
「そう言えば、ケンは夜明け前の空の色が好きだったよね」
「そうだよ、よく覚えていたね」
「忘れないよ、あの不思議な色だよね」
「俺が、名前を付けたんだ」
「う〜ん、何て言うの」
「あれはねぇ、ミッドナイトブルーって、言う色なんだ」
「そうなの、ミッドナイトブルーね、覚えて置くね」と、言う愛美の髪を弄りながら、俺は
「明日、ユックリと出発して、動物でも見に行こうか」と話し掛けたがもう返事は無かった。
小さな寝息を立てていた。
暫くそうしていると、俺も眠くなり寝てしまった。
腕の中で、モゾモゾとするので目を覚ますと、愛美が、
「ケン、起きた、ベットで寝ようよ」と、言う
「そうしよう」と、立ち上がった時に、咳が出始め中々止まらない。
かなり、苦しい呼吸が出来ない、伝えられない。
その時、不意に愛美の顔が見えた。
なにか言っている。
「ケン・・・・飲ん・・・ケ・・・・の・・よ・・」と、泣きながら言っている。
その手に目を落とすと錠剤が、何とか見えた。
その粒に手を伸ばし口に運ぶが、咳が出る為に飲む事が出来ない。
苦しい、気が遠退きそうに成った時に、何とか飲めた。
それでも、止まらない。
頭の隅で、死ぬのってこんなに辛いんだ、と思うと怖くなった、愛美が泣いている。
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