ミッドナイト・ブルー
退院して、戻った時にはキャンピングカーが、表の駐車場に置いてあり名義変更等の手続きも済ましてあった。
その、店長に挨拶に行くと
「店長、やっと退院して来れましたよ。長い間心配かけてすみませんでした。それからクルマ、有難うございます、助かりました。」
「なんだよう、他人行儀に、ケン、あのクルマ使わなくなったら、いつでも持ってこい、売値で買ってやるからな、」
「いやあ、それじゃぁ悪いじゃないですか」
「俺は、あのくるまは、売るつもりもなかった、ケンじゃあ無ければね。それに、ケンのクルマを売った相手が、この店に良く来てくれるし仲間も連れて来るから安心しろ、その上あのクルマは気に入ってるから構わないよ」
「有り難うございます。それから、これ、お見舞いのお返しです」
「そんな事、気にし無くて良いのに、今日家に来てくれ、うちのやつが心配してたから」
「判りました、済みませんが、もう一人良いですか潤子も連れて行きたいですが」       「ああ、良いよ賑やかな方が良い」      「それで何時くらいに、行けば良いですか」
「そうだな、8時位に来てくれるか、夜通し飲もう」
「それは、勘弁してください。まだ、退院したばかりですから」と、愛美が真面目な顔で、答えるからおれが、
「店長は、判っているんだよ、ねっ店長」と、言うと、
「家に電話を、入れておくから必ず後で来いよ」
「行きます、必ずじゃぁまた後で」と、店を出てタクシーで、世界の酒を扱っている店に出掛けた。
30分程で着く、その店で1938年の オールドヴィンテージ マッカラン ブレンリヴェットのウヰスキーと、ドンペリニヨンのホワイトヴィンテージ1961年と、大吟醸 山廃仕込み 常きげん 濃口流を、買い込み、一旦マンションに戻った。
家に帰ると、潤子が迎え入れてくれた。
「あんちゃん、愛美お帰り、あんちゃん疲れなかった、大丈夫」と、気ずかってくれる。
俺は、潤子に
「今日、店長の家に行く事になったから、潤子も一緒だぞ」
「えっ、私もあのイケメンの店長さんの家に」
「どうしたの、潤子行きたく無いの」と、愛美が聞くと、
「そんな事無いよ。それより、行きたい位だけど、あんちゃんが無理してないかなと、思って」
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