ミッドナイト・ブルー
「潤子、なにを奥さんに言ったのよ、お喋り」と
怒った声で言うと、
潤子と奥さんが二人で吹き出して、笑った。
愛美がビールを、取りに行くとなにか小さな声で話すと、今度は三人で笑っていた。
愛美はビールと枝豆を、持ってきてグラスに、注いで俺に渡した。
俺は、「済みません、お先に頂きます」と、言うと、一気に飲み干した。
「ケン、仕事辞めたんだって、どうするの」
「休みが長くなると、迷惑かけるでしょう。だからしょうがないですよ。」
「お金は、有るの」
「当分の間はなんとかなりますよ」
「何時から出掛けるの」
「取り敢えず、明後日の午後には出掛けようかなと考えています」
「そうなの、私達キャンプとかは行くけど、そんなに長く休みをとって出掛けた事ないわね」と、言われた時、愛美の顔がほんの一瞬真顔に成ったが直ぐに笑顔に戻り
「店長さんも、ちゃんと考えてくれてますよ」
「本当に、そうなら良いんだけど」などと、話していると店長が、帰って来た。
それから、15分後シャワーを浴びた店長が席に着いて飲み会が始まった。
「あなた、ケンが高級なお酒を、買ってきてくれたのよ、先ずは乾杯はシャンパンでしましょう、あなた開けて」と、瓶を渡すと、それを見た店長が
「マジかよ、良いのかこんな高い酒を、」と、言うので
「じゃあ、勿体ないから、開けるの止めましょう」と、俺が言うと、
「そうは、言ってもケンの退院祝いだから仕方ないか」等といいながら開けると、グラスに注いでみんなに渡し
「早速、ケン退院おめでとう、これからも身体を大事にしてください。では乾杯」と、宴会が始まった、テーブルの上には大ザラに自家製のフライドチキンと、すき焼きや、生牡蠣や、色んなツマミが並べられており、それらを食べ始めた。
シャンパンのグラスを開けると、愛美が
「ケン、なに飲むの作ってあげる」と、言うので、俺が、
「ウヰスキーのロック作ってくれるかな」と、言うと店長が、
「愛美ちゃん、俺にも作ってくれるかな」と、言うと、
「判りました、」と、言ってロックグラスに氷を入れて、マッカランの蓋を開けグラスに注いだ。
「ケン、どの位走るつもりなんだ」と、店長が聞いて来た。
「そんなに、長くならないと思います」と答えると
「先ずは、南からか」
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