ミッドナイト・ブルー

「夜分、済みません。私達、東京から来た山口と言います。実はお願いが有って来ました」と、言うので、
「どうしました。旦那さん青い顔してらっしゃいますが、具合でも悪いのですか」と、聞くと
「ズバリその通りなんです。」と、答えた。　　後でくつろぐために、用意して置いた椅子を薦め座らせた。　　　　　　「大丈夫ですか、それで何を」と、聞くと　　　「何とか此処まで運転して来たのですが、限界だと言うことで病院に、連れて行きたいのですが、あいにく私クルマの免許を、持っていないのでどうしたものかと悩んだ揚句こちらに頼みに来たのですが」と、言う
「そうですか、それでクルマは貴女方ので良いですね、それではクルマに戻り待っていて下さい。今パソコンを使って、調べて連絡を、とりますからその間我慢をして下さい、良いですか」と、言うと、その男が、
「済みませんよろしくお願いします」と、言ってクルマに戻っていった。
俺が、パソコンで調べて携帯で連絡を取っている間に、愛美はテントの中を片付けていた。
１０分後、ようやく救急病院と連絡が付きクルマに乗り込み向かった。

二時間半後、俺達は元のキャンプ場に戻って来ていた。彼等のテントは俺達の横に移し彼はそのテント中で薬が効いて寝ている。
「しかし良かったね。ウィルス性の胃腸炎で」
「有り難うございます、本当にびっくりしました。お昼位からなんか変だとは言っては居たんですが、あんな時間になってから急に具合悪くなってもう運転出来ないと言い出すから」と、言いながらクリクリッとした目を潤ませていた。
「びっくりするよね。どうしょうってなるよね、私は、経験者だから判るよ」
「そうなんですか」
「そうなのよ、うちの人なんて・・・・・・・」
「そんな事より、お腹空いてないの残り物で良ければ一緒に、食べませんか」
「宜しいんですか」
「良いですよ大勢で、食べた方が美味しいし、当分の間、俺達此処を動かないから、一緒に食事しましょう」
「そんなに、甘えて宜しいですか」
「構いませんよ」
「それでは、お願いします」
「判った、じゃぁ食べよう、旦那さんには悪いけど、今食べられないと思うし明日の朝には、元気に成るでしょう」と、言い食事をしたが、実際食べ物を口にする事が出来たのは 三日後であった。奥さんの名前は、律子三十二歳