ミッドナイト・ブルー

「ケン、潤子から今から出て二人は飛行機で来るそうよ。 それで、私が空港に迎えに行くって言ったら、来なくて良いからホテルの部屋を、取っておいてって言われたの、少ししたら、フロントに行ってくるね」
「良い部屋取って置いてあげてくれ」
「わかってます、そうします」


その日の午後四時過ぎに、潤子達がやって来た。
「あんちゃん、あんまり心配させないでよ」
「そんなつもりは無かったけどスマン」
「だけど、そのおかげて四国まで君嶋君と来る事が出来たんだけど」
「君嶋は、」
「部屋に、荷物を運んでるよ」
「そう、ところで君嶋の事が気に入ってるのか、まあお前の事だから、嫌いな奴と来る事はないと思うけど、もともとお前の事を君嶋は気に入ってたからな」
「そんな事より、どうなの予定はどうなっているの」
「特に、決めてないけど取り敢えず一度川崎に戻り、検査することにしたぐらいだ、それ以外は何も決まって無いよ」
「判ったわ、あんちゃんの様子次第だね」
「慌てて帰る執拗は無いけど、彼の休みの都合も有るだろうから三人で良く話してくれ」
と、話している所に荷物を部屋に置いた君嶋と愛美が戻って来た。
ベットに越しかけていた潤子が立ち上がりソファーに戻ると、君嶋が
「会長、大丈夫なんですか」と、言うから
「そんなに、心配しなくても大丈夫、ただ少し体調を崩しただけさ、長旅だったから」
「そうですか、それなら良いですが、気を付けて下さいよ」
「判ったよ、それより明日からどうするのかお前達で決めてくれ」
「判りました、」と、言うと三人で予定を立て始めた。
俺は、その声を聞きながら安心したのか、深い闇に引き込まれるように眠りについた。
三日後、俺は病院に入院していた。
今は、怠さやムカつきも納まり、点滴をうっているが、好調で有った。

一ヶ月後退院し家に戻った。
愛美は、少し疲れているように思えた。
ある日、俺は愛美を呼び 「これから先、旅行に行くのは止めようと考えているんだ、」
「どうして、なぜなの」
「俺自身、自分の体に自信がない、直ぐに疲れるし、何より愛美の疲れた顔を見たくないから」
「ケン、そんなの気にしていたのごめんね」
「それより、体調の良い時に遊びに行くってのが良くないかなと思って」