Virus
翼「陸…?おい陸!返事しろ!おい!」



どんなに叫んでも、もう通信機からは何も聞こえない。



翼「くそぉ…くそぉぉ!!」



ドン!



翼さんは椅子を叩き付けた。



涼「……翼…さん…」



俺はなんて声をかけて良いか分からなかった。



翼「……取り乱してすまない……。みっともないよな…」




涼「そんな事ありませんよ。だって」



翼「君達だって…友達を2人も亡くしてるのに……。大人の俺がこんなに取り乱して……本当情けない…」


翼さんは手で顔を覆った。



涼「そんな……」



翼「本当すまないな……」




翼さんは目を瞑って少し黙祷をしてから話し掛けた。




翼「それより…頼みのアメリカも危険になってしまったが…どうする?」




それは問題だった。




涼「…少し皆と相談してきてもいいですか?」




翼「あぁ、構わないよ。行っておいで」




涼「ありがとうございます」




涼は走って客室に走っていった。



翼「……陸……」




俺は黙祷し…




翼「……分かった。生き残るよ……どうか安らかに…」




そう祈った。
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