Virus
み「もう……いいよ…。もう…」


裕「なん…でだよ!なんで庇ったんだよ!」


み「ゴメン……。でも、僕……本当は弱いから……。強がってるだけだから…………裕大は……知ってるでしょ……?」


だから、裕大が死ぬ所だけは見れなかった……


裕「なんでだよぉぉ…!なんでっ…!」


普段全然泣かない裕大が泣いている。


み「ハァ…ゲホッ!ゲホッ!」


血が全く止まらない。


み「裕…大…。僕を……置いてって…。僕が……僕であるうちに……」


裕「できるわけねぇだろ!お前を置いてくなんて…!」


み「……裕大……僕は……裕大が居てくれたから……強くなれた………。さっきだって……言えた……。だから……お願いだから…僕を置いてって…!僕は…!裕大を……皆を殺したくない……!うっ!ゲホッ!ゲホッ!」


化物になって……殺したくない。


裕「だけど…」


み「だったら!僕が…化物になったら……殺してくれる!?」


裕「それは……」


み「裕大は……凄く優しいから……出来ないよね……?だから……お願いだから…!」


僕は裕大の袖を強く掴んだ。


もう寄り添う事も出来ないこの体……。


裕「っ…!」


それでも、裕大は僕を抱き締めてくれた。


暖かい……


あぁ、そういえば……


僕……ギュッてされんのも好きだったなぁ……


裕「馬鹿…!宏之に約束したのに…!お前を守るって……!」


み「ゴメン……。あっち行ったら……ちゃんと言っとくよ…」
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