Virus
涼「?」


何故車を止めたのか分からなかった俺等に「車は便利だが、音がかなり出るから一旦止まったんだ」と説明してくれた。


瞳「あの……じゃあ、そのS.Dの人達って……残ってる人は祐騎さんだけなんですか?」


瞳が少し言いづらそうに聞いた。


祐「いや、だいぶ殺られたと言ったが1/3くらいに減っただけでまだ組織としては成り立ってる。因みに本拠地はイギリスだ。イギリスはまだ被害はない」


そう言えば……陸さんもイギリスに行けって言ってたな……。


瞳「じゃあ…何故、祐騎さんはここへ?」


祐「最初は、まだアメリカも安全と聞いていたからただの支援という事で出動したんだ。だが、この有り様で、最初に出動したチームがヘリから降りた直後に化物に襲われ全滅した。その時に、なんとか通信で連絡してくれた奴が居たんだが俺のチームも、すぐ後に出動していたから襲われて、俺ともう1人しか残ってない。そいつ供、はぐれてしまった」


そうか…。


じゃあ、陸さんと同じ状況だったんだな……。


瞳「そうだったんですか…」


祐「あぁ。…お前等も、安全だと聞いて来たんだろ?」


瞳「えぇ……」


瞳は悲しそうに言った。


確かにそうだった。


あの2人だけで……


失う人は終わりにしたかった。


なのに……


また1人、大切な友達を失ってしまった……


それが瞳にとって1番辛い事だった。


その事を感じとった涼は代わりに飛行機での出来事を話した。


涼「なんとか飛行機に乗れたんですが、後1時間でアメリカに着くって時に……機内に通信が入ってその時、飛行機を操縦していたパイロットの友達の方からアメリカの事を聞きました。でも…その人も……襲われてしまって……」


俺は飛行機での出来事を思い出した。


祐「パイロットの友人?もしかして……パイロットの名は翼で連絡してきた奴は…陸って名か?」


瞳「えっ!?」


祐騎さんが2人の名前を出した。
< 187 / 426 >

この作品をシェア

pagetop