Virus
涼「2人を知っているんですか!?」


祐「知ってるもなにも……。陸は俺と同じS.D特殊捜査官で、同い年だ。……まぁ、先に行ったチームの方だったから逝っちまったけどな……」


ふぅと煙草を吐く。


瞳「そうだったんですか。陸さん……」


祐「神様ってのは……良い奴の半分を先に連れてっちまうからな……。堀北さんも陸も…優しくて良い奴だった……」


祐騎さんが少し悲しそうな顔をした。


祐騎にとって陸は友人、拓郎は良い上司だった。


瞳「祐騎さん………」


祐「…それで、翼は?」


涼「翼さんは、まだパイロットの仕事をしてます。燃料を補給すると言ってました。危ないですよって言ったら『君たち子供が頑張ってるのに大人の俺が何かしなくてどうする。俺は俺の出来る事をするよ』って………。実は俺達……みみちゃんの他に…2人も友達を失ってしまって……。その内、1人が俺達を無事にアメリカまで行かせる為に化物と一緒に飛行機から落ちて……ったんで…だからだと思います……」


俺は強く拳を握った。


自然と歯にも力が入る。


怒りが込み上げてきた。


こんな世界にした奴が絶対居る……


そいつらが許せなかった。

祐「そうか……翼らしいな」


ふっと笑いながら祐騎さんは言ってから「お前等も……辛い思いしたな…」と言った。
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